家は、風土。を感じる『旧日光田母沢御用邸』
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写真は、日光にある旧日光田母沢御用邸です。
日光田母沢御用邸は、日光出身で明治時代の銀行家・小林年保の別邸に、
当時、赤坂離宮などに使われていた旧紀州徳川家江戸中屋敷の一部(現在の三階建て部 分)を移築し、
その他の建物は新築される形で、明治32年(1899)に大正天皇(当時 皇太子)のご静養地として造営されました。
その後、小規模な増改築を経て、大正天皇のご即位後、大正7年(1918)から大規模な増改築が行われ、
大正10年(1921)に現在の姿となりました。
(日光田母沢御用邸記念公園サイトより https://www.park-tochigi.com/tamozawa/facility)
細かい部分までこだわられた建物なのですが
今回紹介したいのは、
”屋根” です!
7000㎡もの連続一枚屋根です。
異なる勾配の屋根が谷や棟で連続してつながっています。
上から見ると壮大です!
もともとは杮葺きだったようですが
現在は銅板葺きです。
豪雪地帯では、金属屋根が多いように思います。
金属の吸水率の低さと一枚もので屋根を葺くことによって密閉性が高く、雨漏りが起きにくいことや
軽いため、雪が降り積もっても家自体にかかる重量を抑えることができることが理由かと思います。
広島も南と北で環境が大きく異なり、
豪雪地帯とまではいきませんが、北部では多く雪が降ります。
中国山地に近い県内北部では、石州瓦を使うことが多いです。
石州瓦は高い温度で焼き上げているため、
水分が少なく凍害に強く、釉薬によって吸水率も低いです。
もともと石州瓦の生まれた日本海側では、塩害もあるため、
金属屋根ではなく、塩害にも強い瓦が多く使われてきました。
その地域に合わせた仕様、作りにしていくことが大切です!
これからも風土に合った家づくりをしていきたいです。
アスタ営業所 こやま