逃げるという判断をするために - ひろしま防災ドリル -
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平成30年7月豪雨では、広島県内でも死者・行方不明者合わせて114名、
住宅被害は14,109戸、土砂災害は484ヵ所にも及ぶ大きな災害となりました。
経験したことのないほどの非常に激しい雨。
「避難」という言葉が頭をよぎりつつも、
行動に移せなかったという人もたくさんいたことも事実です。
*出典:平成30年7月豪雨災害における避難対策等の検証と
その事実に向けた提言(広島市危機管理室危機管理課)
広島県が行った住民アンケートの結果から、平成30年7月豪雨における「避難」について
約何割の人が避難したかご存知でしょうか
アンケートを集計したところ約2割の人しか避難していませんでした。
ほとんどの方が避難しなかったと答えています。
さらに、この2割の人が避難した場所で最も多いのが
「自宅の上階」という結果になりました。
(自宅の上階が34.2%、親戚や知人宅が25.8%、市が開設した避難場所が20.5%)
避難しようと思った時に外に出られなくなっていた場合も考えられます。
では、避難しなかった人が「避難しない決め手」となった理由は何でしょうか?
単一回答のアンケートで多かった順に発表します。
1位:被害にあうと思わなかった 13.0%
2位:避難する方がかえって危険だと思ったから 10.0%
3位:雨の降り方や川の水位から安全と判断したから 9.5%
4位:今まで自分の居住地域が災害にあったことがなかったから 6.3%
「近所の人が避難しなかった」
よくありそうな回答ですが、この回答は3.3%という結果になりました。
しかし、このアンケートで複数回答を認めた場合、
35.9%という高い割合となりました。
一番怖いのは「自分は大丈夫」という思い込みだと感じました。
「自分は大丈夫」
「隣の人も避難してないから大丈夫」
という心理状態になることを何というか知っていますか?
正常性バイアス
“バイアス”とは防災心理学で「思い込み」という意味を持ちます。
非常時に遭遇した時に
「こんなはずはない」
「自分なら大丈夫」
と思い込む事がこの正常性バイアスが働いている状態にあります
多数派同調バイアス
正常性バイアスとよく似た言葉ですが、
これは「正常性バイアス」の要因となる思い込みです
「あの人と同じようにしておけば大丈夫だった」
と、感じた経験はありませんか?
これが「自分は大丈夫」という心理に紐づき
避難しない決め手となります。
逃げるという判断をするために
「周りは避難していないから」
みんなが思っていることです。
しかし、あなたが避難することで、自分や家族の命だけでなく
周りの方にも「危険だ」ということを認識させることができ
助かる命が多くなるかもしれません。
「逃げるという判断をするために」
大丈夫という心理があることを頭の片隅におきつつ
どのタイミングで避難するかしっかり話し合っておくといいかもしれません。
出典:広島エフエム放送株式会社 ひろしま防災ドリル 防災ハンドブック2019
山根木材の各展示場・納得すまいる館にて配布しております。
ぜひ、お近くの展示場へお越しください