山根木材の家づくり

1広島の木 ―木と暮らす。―

住宅素材としての「木」の優位性

燃えやすくて、壊れやすい。そんな誤解から「木」の家が敬遠された時代もありました。
しかし、今、「木」の家の良さが再び見直されています。

耐久性
圧倒的な「木」の強さ

<「木」は鉄よりも強い>

4倍 9.5倍 15倍

この数値は、「木」という素材を「鉄」や「コンクリート」といったほかの素材と比べた時の強度。
一般的に「木」は、鉄やコンクリートに比べて弱いというイメージがありますが、実際は、「木」の方が圧倒的に強度に優れています。
例えば、同じ重さで比べると、「木」は引っ張り強さが鉄の4倍、圧縮強さがコンクリートの9.5倍、曲げ強さが鉄の15倍というデータがあります。

建築材料の比強度
出典/「木と日本の住まい」
(公財)日本住宅・木材技術センター

<強度が長続きする「木」>

100年間 → 3mm

「木」の劣化速度は1年間で0.03mm。100年間で表面から3mm程度。
一方、鉄の劣化速度は1年間で0.05mm。
例えば、一般的に使用される「2~3mm厚」の鉄骨が両面から錆びていくと、約20年後には「錆びの塊」と化してしまう計算に。 「木」は、伐採後300年余り経過した頃が最も強度が高くなります。
また、「建物の重さ」に比例して影響を受ける地震に関しても、「木」は鉄やコンクリートより圧倒的に軽いため、あまり大きな影響を受けなくて済みます。
まさに、「地震にも強い」素材といえるでしょう。

木材と鉄の劣化速度
※木材の場合は腐朽菌や白蟻などの虫害は除く。
出典/「建築に役立つ木材・木質材料学」
今村佑嗣ら編(東洋書店)

<歴史が証明する「木」の強さ>

「木」が、十分に風を通し、乾燥した状態を保つことで長持ちすることは、世界最古の木造建築である「法隆寺」によって証明されています。
自然素材でありながら、しっかりと管理を続ける事で、100年、200年と維持できる素材は、「木」の他にはないといっても過言ではありません。

法隆寺
世界最古の木造建築 法隆寺

耐火性
火にも強い「木」

<熱を伝えにくい「木」>

「木」は『燃えやすい』という欠点があることは間違いありません。
しかし、表面が燃えても芯まで燃えるまでには時間が掛かります。
なぜなら、厚みがある「木」は燃えると表面に炭化層を形成し、その炭化層が空気を止め、内部への火の進行を防ぐためです。芯まで燃えるのに時間がかかるという性質は、実大火災実験の結果においても確認されています。
※実大火災実験:試作した家を実際の火災と同じ700~900℃で燃やし、耐火性の検証を行うこと。

耐火性

<火にも強い「木」の家>

1分 → 0.6〜0.8mm

古くから燃料として使われてきた「木」は、1分間に0.6~0.8mmと燃えるスピードが遅く、火種が残り、炭化した状態でゆっくりと燃え続けます。
一方「鉄」は、それ自体は燃えませんが、400℃を超える高熱にさらされると、急にグニャッと曲がる性質(メルトダウン)があり、火災の際に消火が遅れると家ごと崩壊する危険があります。
「木」の家は、鉄骨の家よりも崩れ落ちる可能性が低く、火に強いといえるでしょう。

鉄・アルミニウム・木材の加熱による強度の低下
出典/「木と日本の住まい」
(公財)日本住宅・木材技術センター

断熱性
「木」は自然の断熱材

<「木」は体温を守る>

熱伝導率 → 500分の1

これは、「木」と「鉄」の熱伝導率の比較です。
「木」の熱伝導率は、0.14~0.18W/(m・K)。これは、コンクリートの約6分の1、鉄の約500分の1。「木」は中空のパイプ状組織の集合体であり、この細かいパイプの中に熱を最も伝えにくい「空気」を含んでいるため、断熱性が高くなります。炎天下に置かれた鉄板の熱さを想像すると、よく分かりますね。
鉄は夏の暑さや冬の寒さを室内に伝えやすいですが、「木」は外部からの熱(寒さ)を抑えることができます。また、コンクリート素材の床は、足裏の熱を奪って身体を冷やしてしまいますが、「木」の床は、足裏の温度が変わることがありません。
断熱性に優れた「木」の家で暮らすことは、「木」という断熱材に囲まれて暮らしていることと同じ。
夏涼しく、冬暖かい。「木」の家は、省エネルギー性に優れた住まいといえるでしょう。
※熱伝導率=物質がどの程度、熱を伝えるか数値化したもので、数値が低いほど熱を通しにくい。

木の細胞(イメージ図)
木の細胞(イメージ図)
熱伝導率
出典/「理科年表 平成18年」国立天文台編(丸善)

調湿性
湿度を快適に保つ「木」

<「木」は自然のエアコン>

5.8kg

これは、壁と床に15mmの板材を使ったときの水分吸収量。
例えば、屋外の気温が30℃、相対湿度90%の不快な気候のときでも、壁と床に15mmの板材を使った10畳の室内では、12時間で約5.8kgの水分が板材に吸収されていく計算になり、湿度は50%に保たれます。
「木」の最大の特徴は、他の素材にはないこの調湿性。
空気を吸収し、放散しながら湿度が一定になるように自動調整する性質があります。
「木」の家は、室内の湿度が高ければ湿気を吸収し、乾燥しているときには水分を放出するため、鉄やコンクリートの家とは違い、一年中いつでも快適に過ごすことができるのです。

調湿性
出典/「国産材を使った顔の見える木材での家づくり」
(公財)日本住宅・木材技術センター

癒し効果
心と体に優しい「木」

森の中を歩く森林浴は、私たちの心身をリラックスさせてくれます。
そのリフレッシュ効果は、「木」から発散されるフィトンチッドという物質が作用するためです。
フィトンチッドの含有量は、国産材に多いという調査結果があり、製材後の木材からでも変わらず放出されています。
フィトンチッドの放出率は、ベイマツと比較して、国産のスギで5倍、ヒノキで15倍。
また、「木」の香りには不思議な効果があり、ヒノキの香りはやすらぎを与え、スギの香りはストレスを和らげます。
「木」の香りの効果が、私たちの身体に優しく働きかけてくれます。

癒し効果

「木」の環境性

つくっては壊す社会から、いいものをつくり永く使い続ける社会へ。
私たちは家づくりを通して、子供たちの未来に繋がる地球環境を守ります。

街にもう一つの
森林をつくる

森林の樹木は、光合成により大気中のCO2を吸収し、酸素を供給します。
私たちが積極的に国産材を活用し、植林、伐採、木材活用、植林という森林資源の循環を促進して、CO2を吸収しながら成長する森林を育てることが大切です。
「木」は吸収したCO2を炭素として蓄える機能を持っているため、「木」の家に永く住み続けることは、炭素を長期間にわたって維持すること、つまり炭素の固定化につながると考えられます。こうした観点からみると、「木」の家を建てて、永く住み続けることは、街にもう一つの森林をつくることと同様の効果があると考えられます。

適正な木の伐採が森林を活性化

山根木材の森
森林整備で地球貢献

山根木材では毎年春と秋に広島県緑化センターにて「山根木材の森」森林整備活動を実施しています。
地域の木を守り育て、広島の森を元気にすることを目的に、4.76ヘクタールの森林の除伐作業や植樹体験を一般参加者とともに行っています。

森林整備1
森林整備2

木造住宅の”理想の
建て方”

木造住宅の“理想の建て方”。それは、裏山で採れた木を、生えていた向きに揃え、光と風の当たり方を変えずに使用して家を建てること。こうすることで、気候による木の「狂い」が生じにくい木造住宅をつくることができます。また、同じ風土で育った木はその土地特有の「菌」への抵抗を持っているため、腐食にも強い。流通の発達により、日本各地・世界各国の木材で家を建てられる時代になりましたが、家を構える土地に馴染まない木は大きく反ってしまったり、菌による腐食に侵されることがあります。事実、現存する「築100年以上の木造住宅」のほとんどは地元の木材で建てられています。広島で木造住宅を望むお客様全員に、ご希望の土地の裏山で採れた木をご用意することはできませんが、少しでも“理想の建て方”に近づけることはできる。これからも山根木材は「広島の木」にこだわり、広島という風土に適した家をつくっていきたいと思います。

木造住宅の理想の建て方

国産の木と広島の木の違い

暖かい土地で育つ木は成長が早い分、年輪が大きく目が詰まっていないため、強度に不安が残ります。一方寒い土地で育つ木は、目が細かく強度があり年輪の見た目も綺麗ですが、育ちが遅い為に値が張ってしまいます。広島の木はその中間。強度も価格も納得の木が育ちます。また、素直な木が多いのも特徴。木は寒暖差により収縮しますが、寒暖差が少ない広島で育った木は、広島の地で家になったあとも、狂いが生じにくいのです。

広島の木

構造材
隠れてしまう木にこそ、
広島の木を

一般的な住宅の場合(延床100m2)、「構造材」として約13m3の木を、「仕上げ材」に約1.3m3の木を使用します。つまり、木造住宅に使われる木の「9割」は、完成したあとに隠れてしまう木。山根木材はこの部分にも極力多くの広島の木を使用しています。お客様の中には「なぜ見えない部分の木にこだわるの?」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、「構造体に使用される木」こそ、狂いが生じにくく、腐食にも強い木を用いるべき。標準仕様の山根木材の家は「土台」に広島県産のヒノキを使用(築1300年以上の法隆寺・五重塔が証明している通りヒノキの「耐久性・保存性」は木材トップレベルと言われています)。また柱・桁には、構造用異樹種集成材として日本で初めてJAS認定を取得した「ハイブリッド・ビーム」を使用。この集成材は5層から成り、外層部の2層には強くてたわみにくいベイマツが使用され、内層部の3層には軽くて粘りのある広島県産の杉が用いられています。この集成材はベイマツの乾燥材と比べ値が張りますが、その分強度があり形状も安定しています。集成材の代わりにヒノキ等の「こだわりの無垢材」を選択頂くことも可能です。他社ではコストが合わない木材も、直営一貫体制の山根木材ならお客様に納得頂ける価格でご提供できます。
※「構造材」の数値は土台・柱・横架材の合計値です。「仕上げ材」はフロア材のみの数値となります。
※ご計画地によっては樹種が変更になる場合がございます。

構造材