二世帯が寄り添う家《福山市/注文住宅》
互いの声や気配が届くちょうどいい距離感を保つ暮らし
間取りは完全分離型 それぞれの好みをインテリアに反映
仕事のかたわら農業も営む両親が住む家は、築45年以上が経過していました。
住み慣れてはいたものの老朽化が気になってきた家を、息子家族との同居をきっかけに二世帯住宅へと一新。
周囲を田んぼや畑に囲まれたのどかな住宅地で、その真っ白な外観はひときわ爽やかな印象を放ちます。
「イメージは西海岸風」そう語るのは息子のM様。
メインツリーに置いたヤシの木が、心地よい海風を運んでくれる気さえします。
庭の砂場は子どもたちのお気に入り。
エントランスに敷き詰めた赤い瓦石は、水はけに優れていて、踏んだときに少しだけ鳴る音も心地よいです。
「山根木材は、どちらかというと“和”のイメージしかなかったんですが、こちらの思いや希望を伝えると、それに近いものをいろいろ探してきてくれたり、新たに開拓してまで資材を提案してくれたり。“こういう家もできるんだ”という意外さが良かった。コストに関しても、他では無理と言われた予算との折り合いを前向きに検討してくれ、信頼が高まりました」。
また、インテリア好きな若いご夫婦にとって、お気に入りのショップでもあった“クラッシュゲート”が山根木材と提携していたこともポイントのひとつ。
ソファやテレビ台といった大きな家具はすべてコーディネートを頼み、思い通りの雰囲気をリビングに実現しました。
また、リビング横には小上がりタイプの和室を配置。
「子どもが遊べるスペースと、おもちゃを置くところが欲しかった」と奥さま。
段差部分は収納として活用し、腰かけにもなります。
小上がりの和室のアクセントクロスやキッチンのペンダントライト、照明のスイッチなどお部屋の随所にかわいいが散りばめられています。
また、洗面所には奥さまの好みでセレクトしたカラフルなモザイクタイルが。
山根木材の実例集を見て採用した蛇口ともマッチしています。
ご両親の住まいはというと、足に心地よい杉の無垢材をリビングにあしらい、全体的に落ち着いたトーンでインテリアをまとめられています。
互いの暮らしを尊重しつつ 手の届く場所で支えあう
明るい陽射しも入り、温かく過ごせる我が家は以前と大きく変わりました。
息子家族の住まいとつながるのは、中間に設けた和室。
ここは互いの生活圏を行き来する通り道であり、親戚が遊びにきたときなどは大勢で集える場所になるなど、とてもフレキシブルな役割を果たしています。
親世帯と子世帯の緩衝スペースとしても機能し、声や気配が適度に届くそう。
「同居というより、隣家に住んでいる」ような、プライバシーは保ちつつ、必要なときはすぐにつながることができる造りです。
梁の力強さが印象的な天井の趣は、山根木材の実例集を見て気に入ったもの。
曲線を描く床の間の垂れ壁などアクセントも加えました。
「私にとっては、お義母さんがそばにいることで、どうしても手がかけられないときに、ちょっと子どもの面倒を見てもらったり、足りない調味料を借りに行ったり、助かることばかりです」と奥さま。
ご両親にとっても、孫の成長を近くで見られることは、何より幸せなこと。
「楽しそうな笑い声が聴こえたり、にぎやかな様子を感じると元気がもらえます」。
庭先では家族揃ってバーベキューを楽しむことも。
住まいがもたらした、“ちょうどいい距離感の世代の共存”。
これから、また違った優しさとぬくもりを生み出すのかもしれません。