絵様をちりばめた家《広島市西区/注文住宅》
訪れる人を和の趣が迎え入れる隠れ家のような佇まい
街中に佇む平屋の邸宅。
車の往来も少なくない場所で、少し奥まった場所に設けたアプローチが、喧騒を切り離すかのように訪れる人を迎えます。
山根木材の展示場で気に入り、取り入れたかったという飛び石で迎えるアプローチ。
路地裏のような雰囲気をイメージしています。
もともとマンション住まいだったE様が思い描いていたのは、“和風で木の落ち着きを感じる家”。
そこに、「持っている和の家具や小物、実家にある古布などを使って部屋を飾りたい」という想いを添え、家づくりはスタートしました。
造りには、梁や柱をなるべく見せないシンプルさを追求。
間取りの決定にも時間をかけ、「打合せの度に変更していた」そう。
中でも玄関の配置には特にこだわりがありました。
希望は、和の趣を際立たせる引き違いの玄関ドアを使い、道路と向き合わないようにしたいということ。
ところが、一筋縄では実現できない法規上の制約が。
山根木材での家づくりは、「数社に相談した中でも、唯一、玄関の解決策を提示してくれ、その提案力と細やかな対応が決め手となった」とE様は語ります。
心をつくした装飾がもたらす心地よさ
試行を重ねて出来あがった家は、LDKの開放感やシンプルな造りに、奥さまが飾った古布や和の家具がうまく調和。
さらに、部屋ごとにちりばめた遊び心を感じる絵様が、家にとても豊かな表情を与えています。
奥さまが一番気に入っているという“トイレ”はまさにその結晶。
クロスで演出した土壁とあじろ天井、実家にあった古木を加工したカウンター、手洗い器に姿を変えた骨董の陶器など、様々なこだわりが詰まっています。
詰め込んだ“好き”が、バランス良くトイレという小さな空間を演出。
奥さまの嗜好が凝縮されています。
ここでも目を引く窓の目隠しも、奥さまが古布をリメイクしてあしらいました。
「好きなものだけ使い、思うようにアレンジできた」と奥さま。
その他の空間も、緑を基調に家具や、カーテン、クロスなどを取り入れ、全体的な統一感を生みながらも個性を行き渡らせるように彩られています。
山根木材からは、家具などのインテリアの好みから、床材には深い色味が特徴のチーク材を提案しました。
幅が120mmと広めで、空間をさらにゆったりと見せています。
ユーティリティには大柄の絵様のクロスをあしらいました。
大胆なようで空間を引き締めます。
造作で仕上げた和室の格子扉をすべて開くと、ユーティリティが隠れる仕掛けに。
和室の天井には黒いクロスを選択しました。
空間を引き締めると同時に、モダンな印象を与えています。
「お気に入りに囲まれているので居心地が良く、訪ねてきた人にもよく『落ち着くね』と言ってもらえます。自然と家でゆっくり過ごす日が増えました」。
次はどんなものを飾ろう…
そんな思いをめぐらせる時間にも、これまでと違う充実感が増したようです。