子どもも大人も遊べる家《広島市佐伯区/注文住宅》
趣味や遊びに没頭できる居心地が“夢中”を満喫する暮らし方を紡ぐ
海を臨む高台の家。
子どもたちの声が響きわたる“のびのび”とした暮らし。
家族の個性を包み込み、ひとつになれる場所がここにある。
思いやりとゆとり そして機能性 ゾーニングで家族の個性を包み込む
海を臨む高台に建つN様邸。
もともと奥さまが育った実家の向かいで、その眺望は幼い頃からの日常でした。
一方、ご主人は東京のマンション育ち。
戸建てへの憧れと、子どもには都会と違った“のびのびとした暮らしを”という想いを抱いていました。
実は、奥さまの実家も山根木材で建てられています。
それから30数年。
木が持つ特性や風合いが生きる建物の良さ、大工の丁寧な仕事、年数が経ってもしっかりした造りは、実感として持たれていました。
「最初からお願いしようと決めていた」。
ご夫婦の家づくりは、“信頼”から始まったのです。
設計では、まず基本的なコンセプトを伝えて、いくつかの案を用意してもらいました。
そこからベースを選び作りこんでいくなかで、大切にしたのは“ゾーニング”。
夫婦ともに多忙な仕事を持ち、育ち盛りの3人の娘さまを持つN様邸では、生活の住み分けを工夫し、それぞれのスペースに機能を持たせることに重きが置かれました。
大きくは、リビングを軸とするプライベートゾーンと、来客や宿泊対応もできる和室のパブリックゾーン、そして、それぞれの個室や趣味の部屋が適所に配置されています。
「昔ながらの応接間にしたかった」という和室とつながる応接室。
和と洋の家具がミックスされ、今後は絨毯などをアレンジに加えたいとか。
また、将来の同居も考慮し、車椅子でも通れる幅の廊下にしつらえてあります。
「5人が集まっても、ひとりで落ち着きたいときも、思い思いの時間を過ごすことができます」とご主人。
まだ幼い子どもたちは、家全体を使って遊んでいますが、リビングからはその様子を眺めることができます。
2階から続く天井には無垢の木を張り、重厚感と落ち着きをプラス。
ステンレスの大きな天板がアクセントのキッチンは、「木と無機質な素材の組み合わせ」がポイントです。
カウンターにもなり、食事やお酒を楽しむことができます。
バーベキューやホームパーティでも活躍する中庭もまた、外からのプライバシーを保ちながら中へとつながる位置で、ゾーニングに開放的な躍動感を与えています。
家のどこにいても子どもたちの遊び声が響きわたる
各スペースには、遊び心のある機能性も盛り込まれています。
子ども部屋のボルダリングがそのひとつ。
ホールドを登った先にはロフトがあり、そこは子どもたちの隠れ家に。
ロフトとライブラリーも扉を隔ててつながっており、まるで迷路のような回遊性があります。
家の中だけでなく、夢中になれる遊び場は外にも。表の庭には子どもたちのリクエストで作った砂場と、造成した小さな丘があります。
雪が積もったときはソリすべりも楽しめ、丘のてっぺんからは、もちろん海が見渡せます。
また、裏庭にはブランコや鉄棒を設置しました。
さらに、オーディオ好きなご主人が希望したオーディオルームには、本物の映画館さながらのサラウンドスピーカーを設置。
しっかりした防音工事をしているので、友人が集まりカラオケを楽しむことも。
子どもたちの友だちが集まれば、そこは迫力のゲームスポットに。
ライブラリーには、家族お気に入りの本が壁一面に並び、ロビーやをラウンジのようなインテリアで雰囲気を演出するなど、各々がやりたいことを満喫できる要素を詰め込みました。
もっぱら奥さまがひと息つく場所で、好きな読書を楽しまれています。
リビングとは吹き抜けでつながっており、窓からの景色も最高です。
「仕事が忙しくて、なかなか公園に連れて行ってあげることもできません。その代わりでもないですが、家で過ごす時間で我慢はさせたくなかった」。
そんなN様家族は今でも同じ部屋で5人並んで寝ています。
ひとつになれる場所があるから、ふだんはのびやかでいられる…
家族の心のよりどころは、家そのものでもあると気づかされるようでした。