家族が集まる家《安芸高田市/注文住宅》
集まる家族と椎茸と
広島県安芸高田市。
ご夫婦2人の快適な住まいへと形を変えながら、代々ここで暮らしている。
近くのハウスでご主人が作るのは栄養豊富なジャンボ椎茸。
秋の味覚を楽しみに、今年も親族が集まる。
玄関を上がると龍の絵が出迎える。
これは実は襖絵。
ご主人が誕生したとき、名付け親になってくれた人が描いた絵だという。
玄関で出迎える襖絵の龍は、どこか愛嬌のある優しい表情。
建て替え前は仏間の襖に使っていたものを玄関に飾るところに、人との関わりを大切にするご主人の人柄がうかがえる。
ご夫婦は2人暮らし。
普段は1階だけで暮らしている。家の周囲には農作業場や納屋、そしてピザ窯も持つ。
正月、春休み、ゴールデンウィーク、夏休み、秋祭りなど年に何度か親族が集まる。
先祖が見守る中、みんなで料理をして味わい、くつろいで語り合う、人の集まる家である。
雨を受け 陽を遮って 育て、育て
ご主人が近くの田畑で作っているのは野菜や米、柿、そしてジャンボ椎茸。
春と秋には手のひらサイズで肉厚の椎茸が収穫されるという。
この地域は椎茸栽培に適しており、そのしっかりとした食べ応えと香りがご主人の自慢。
寒暖差のある安芸高田市の恵まれた自然環境が作った、豊かな味わいと言っていいだろう。
外気にさらした干し椎茸も絶品だ。
四季折々 自然と向き合う暮らしの工夫
甥や姪、その子どもたちなど、時には総勢17名が集まる。
仏間や2階など宿泊できる部屋を用意し、みんなで料理ができるようキッチンも広くした。
キッチンの収納棚は、あえて使いやすいようオープンに。
2階の客間には建て替える前の家の絵が飾られている。
庭や周囲の山は子どもたちの格好の遊び場に。
ご夫婦はいつでもみんなを迎え入れ、くつろげる空間を保っている。
この地域は雪が深いため、屋根には雪止めも取り付けた。
椎茸の出荷のピークを過ぎると秋も終わり。
安芸高田市は少しずつ冬支度が始まる。